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イトカワ(糸川、いとかわ、25143 Itokawa)は、太陽系の小惑星であり、地球に接近する地球近傍小惑星(地球に近接する軌道を持つ天体)のうちアポロ群に属する。 == 概要 == イトカワは近日点が地球軌道の内側に入る、アポロ群の地球近傍小惑星である。地球軌道との最小距離が小さく、半径も160メートルあるため、潜在的に危険な小惑星 (PHA) にも分類されている。スペクトル型からS型小惑星に分類される〔平田、中村(2007)p.167〕。日本の小惑星探査機(工学実験宇宙機)はやぶさ (MUSES-C)の目的地に選ばれ、2005年9月からの約1ヵ月半、はやぶさに搭載された可視光分光撮像カメラ、近赤外線分光器、レーザー高度計、蛍光X線分光器の4つの観測機器による詳細な探査が行われた。そして2005年11月には、イトカワ表面の岩石試料を採取して地球へ持ち帰るサンプルリターンを行うため、はやぶさは2度の着陸を行った〔吉川(2007)pp.179-180〕。 イトカワは平均半径が約160メートル、長径500メートルあまりしかない小天体であり、これはこれまで惑星探査機が探査を行った中で最も小さな天体である〔平田、中村(2007)p.167、吉川(2007)p.180〕。はやぶさは2010年6月に地球へ帰還し、同年11月にははやぶさのカプセルコンテナ内にイトカワの微粒子が多数存在することが明らかとなり、その後イトカワの微粒子についての分析が進められている。 はやぶさによるイトカワの探査と地球へ持ち帰った試料から、これまで知られていなかった小さなサイズの小惑星について様々な知見がもたらされている。まずイトカワの質量と体積から考えて、内部の約40パーセントが空隙であると考えられ、イトカワは瓦礫を寄せ集めたようなラブルパイル天体であると考えられた。またイトカワの分光観測と岩石試料から、イトカワは普通コンドライトの中のLL4、LL5、LL6というタイプの隕石と同様の物質で構成されていることが判明した。そしてイトカワ表面の物質は宇宙風化を起こしていることが明らかとなり、地球上に落下する隕石の約8割を占める普通コンドライトの多くが、S型小惑星を起源とすることが明らかとなった。 また直径20キロメートル前後の母天体が大きな衝突によって破壊され、その瓦礫が再集積することによって現在のイトカワが形成されたと考えられること、重力が極めて弱いイトカワでは、表面の物質が惑星間空間に逃げ続けていると見られることなどが判明した。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「イトカワ (小惑星)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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